2019年
12月
19日
木
いよいよ12月27日より公開となる「男はつらいよ お帰り 寅さん」。
私たちは、10月28日に東京国際映画祭のオープニング上映で、一足早く鑑賞させていただきました。
上映前には山田洋次監督をはじめ、出演者の皆様のご挨拶もありました。
内容には一切触れませんが、50年という長い「男はつらいよ」の歴史があるからこその作品となっていました。
何よりも、ちびとらが「男はつらいよ」の公開にリアルタイムで立ち会えたことに感謝です。
これまで全ての作品はDVDでの鑑賞で、2回ほど劇場での上映に連れて行ったことがありますが、まさか新作の公開の日を迎えることができるとは思っていませんでした。
DVDとはいえ、すべての作品を観ていたからこそ、この「男はつらいよ お帰り 寅さん」もちびとらは楽しみ、感動していたようです。
寅さん、山田監督、そして出演者の皆様、本当にありがとうございました。
2018年
5月
07日
月
新発見することができた第29作のロケ地についてです。
京都の陶芸家・加納作次郎のもとで奉公をしていたかがり。
失恋の後、実家のある伊根へと戻っていきます。
この車窓ですが伊根へと向かう場所であることは想像がつきますが、右へと曲がっていく海岸線、そして岬が特徴です。
グーグルマップなどの地図を見れば、比較的候補は簡単に探すことができました。
線路との位置関係などから更に候補を絞り込み、ストリートビューで探索しました。
そして今回、ロケ地を訪問してきました。
本編にも映る右側の赤い屋根の特徴的な家は健在でした。
そして本編では、こちらの青い屋根の家も目立ちます。
電柱の立ち方もロケ当時のままのようです。
本編では、かがりが乗っている電車の車内からの映像ですが、上記2つの物証があるので、この近辺を通過する際の車窓であることは間違いありません。
ロケ当時、国鉄宮津線。現在の京都丹後鉄道宮舞線の丹後由良駅から栗田駅間でのロケでした。
線路からの撮影は当然できませんので、ちびとらは休耕寺に許可をいただいて敷地内で撮影をしました。木々が生い茂り、本編のようには撮影できませんでしたが、線路がすぐ目の前にあるので線路をかませて撮影できること、高さなども本編に近いアングルで撮影できました。
実際に電車に乗って撮影するのがベストかもしれませんが、本数も少ないのでこちらでOKとしました。
2016年
6月
23日
木
2012年夏の旅では木曽路を回った。
塩尻から木曽路に入ると、第10作のオープニングに登場する日出塩駅から第22作や第44作のロケ地の数々を回ることができる。
木曽路のロケ地は今もそのままの所が多く、素晴らしいコース、行程となるのでおすすめである。
そして忘れてはいけないのが第3作のオープニングの奈良井宿だ。
この時の旅では、大変運よく予約が取れ、本編に登場する奈良井宿の越後屋さんに宿泊することができた。
創業は寛政年間。200余年に及ぶ歴史をもつ越後屋さん。
現在では1日2組限定で宿泊が可能だ。
寅さんが風邪で寝込んでいた宿であり、結婚披露宴で盛り上がっていた宿である。
江戸時代の宿場の佇まいを感じることができる越後屋さんに宿泊できるということで旅に出る前から楽しみにしていた。
そして案内していただいた部屋はこちら。
1階の部屋なので結婚披露宴が行われた部屋ではない。
部屋からは本編にも登場するSLが走る中央本線を見ることができた。
夕食は木曽の山菜や川魚がメインで大変おいしくいただいた。
風邪をひいて寅さんが入れなかったであろうお風呂(?)。
貴重な体験となった奈良井宿での一夜だった。
2016年
5月
13日
金
2016年GWの旅は、会津、栃木、茨城を回った。
そのうち第36作のオープニングのロケ地である会津についてレポートしたい。
既に2年前のGWの旅で訪れ、大方のロケ地は解明、訪問していた。
その中で発見できていないロケ地の一つがこのシーンだった。
「名物ボータラ」と書かれた札とボータラが店頭軒先にかかっているお店、土産店の前を寅さんが歩くシーンである。
ヒントは左側に見える石塔。そして土産店だ。
この後のシーンは会津柳津町の円蔵寺の参道なので、ここも柳津かと思いきや前回この場所は発見することができなかった。
今回、事前調査でも柳津で見つけることができず、やむを得ず地元の観光課の方にメールで質問したところ柳津ではない、との回答をいただいた。(お忙しい中、ご協力ありがとうございました)
探索範囲を広げてみても発見できず、ロケ地の旅の日程が近づき焦る中、寅友である寅福さん、小手寅さん、彰さんに相談を持ちかけた。
心優しい友たちはPCを駆使して、いっしょにこのボータラ店を探すのを手伝ってくれたわけだが、それでもなかなか見つけることができなかった。
そしてついに会津入りの日を迎えた。
残念ながら今回はあきらめか・・・。
そんな時だった。
彰さんより発見の知らせが入ったのだ。
このボータラ店は柳津から離れた会津美里町、只見線の根岸駅そばにある弘安寺だというのだ。
本編にこの後登場する円蔵寺と同じく会津六詣出に数えられている中田観音と呼ばれる曹洞宗のお寺である。
そういえば、円蔵寺へ向かう道にもやたらと中田観音の案内看板を見かけた。
かなり有名なお寺なのだ。
4月29日。雨が上がった会津地方。
弘安寺に到着。
まぎれもなく本編と同じ風景である。
向こう側の土産店はカーテンが閉まっているが、寅さんが歩いた参道である。
それにしてもなぜワンカットだけ入っているのだろうか。
なぜこの場所だと分からないように編集されているのだろうか。
その謎を解くため、ボータラ店に入ってお話を聞いてみた。
(写真 左上)本編を別角度(中田観音側)から撮影。
寅さんは2つの土産店の間の道を歩いてきた。そして右側へ歩いて行った。
(写真 右上)ボータラがかかっていたお店・つるやさんの外観。
(写真 左下)弘安寺・中田観音の本堂。
(写真 右下)つるやさんの店内にあったボータラ。
そして、つるやさんの齋藤麗子さん(78歳)にお話を伺った。
かつて、つるやさんをはじめとする門前町は賑わっていたそうだ。
同じ福島県のいわきあたりから来られる中田観音の参拝客もつるやさんで宿泊されていた。だが高速道路ができて日帰りが可能になるのと同時に宿泊客も激減していったそうだ。
そして、この6月で2階の宿泊施設も閉館するとのことだ。
ボータラも現在は予約注文を受けて作るだけになっていて、店内には一つだけかかっていた。
ロケは寅さんが根岸駅方向から歩いてくるシーンも撮影していた、と齋藤さんはお話ししてくださった。根岸駅も「男はつらいよ」に出てくる雰囲気の駅で、第35作のオープニングの舞田駅に似ていた。
ロケの合間に渥美清さんはつるやさんのお茶の間で休憩されたそうだ。
今から31年前。
齋藤さんはその時のことをはっきり覚えていらっしゃった。
「渥美さんが座っていたのはそこよ」。
ちびとらも同じ場所に座らせていただいた。
47歳だった齋藤さんはお茶を入れたり、渥美さんといろいろなお話をしたそうだ。
「このロケ地のことをサイトで発表したら、それを見た誰かが来るかもしれません。その時はぜひまたお相手をしてくださいね」とお願いした。
「2階の旅館も閉めるし、ボータラももうほとんど作らないからね。いつまで続けられるか分からないから、そのことだけは書いておいてね」。
最後に齋藤さんにお願いして1枚写真を撮らせてもらった。
30年余の歳月を経て再現した第36作オープニングのワンシーンだ。
最後に。
写真は店内に1枚だけあったボータラを店頭軒先にかけて本編を再現させていただきました。
齋藤さん、どうもありがとうございました。
最後になりましたが、このロケ地に立つことにご協力いただいた寅友の皆さんに深く感謝いたします。
[ご協力いただいた皆さま]
彰さん
寅福さん
小手寅さん
今回の旅で第36作のオープニングは全て踏破するこができました。
詳しくはロケ地の旅のページをご覧ください。
2016年
4月
13日
水
2016年の春の旅は、信州を回った。
メインは第40作の小諸だが、第29作、第35作のオープニングのロケ地も訪れた。
いずれも2度目の訪問なので、すべてのロケ地を回りきりたいと思い、事前調査もすすめ現地へと足を運んだ。
ロケ地の詳細な情報は、「ロケ地の旅」のページに既にアップ済みなので、ここではそのまとめとして今回の旅を振り返る。
まず、第40作のオープニングだ。
吐竜の滝(上の写真)をはじめいくつかのロケ地を回り、新発見もあった。
1つ目が本町交差点近くの坂道。
坂の上の道を神輿がいくシーンだ。ちびとらが坂の途中にいるが、本編では祭の参加者がこの坂道を歩いていく。
こちらの物的証拠は右側の石垣。
そして坂の上の突き当りの建物。これは本町交差点にある店舗(麺族無我夢中)。
2階部分などが本編と一致し、ロケ地と判明した。
2つ目がやはり本町交差点からほど近い大和屋紙店、蔦屋骨董店付近。
神輿のシーンで登場する。
こちらは大和屋紙店とその右となりの建物、そして蔦屋骨董店を除いてはかなり変化していて事前調査でここだろうと踏んで現地でも撮影した。
その後、寅仲間の方々にご協力いただき検証し、ロケ地と判明した。
3つ目はメインタイトルバックとなった小諸市の俯瞰で遠くに浅間山を望むこのカット。
浅間山は雄大だが、市街地が目立つメインタイトルバックになっているのも意外と数は多くない。
画面下、中央より左側の方の特徴的な建物などからこのロケ地を発見し、俯瞰撮影については許可をいただき行った。
またこれは既にロケ地を回られている方が発見していたそうだが、寅と真知子先生が病院から歩いていく商店街も訪れた。
本編で映るサトウの看板はこちらのメガネのサトウさんのお店。
寅たちが角を曲がるシーンでメガネ、電池の看板が右端に映っているが、ここは実は理容室。
このサトウさんの看板を山田組が移動したそうだ。
今回、サトウさんのお店にお邪魔したところ、大変親切にロケ当時のお話を聞かせていただいた。
店内にはロケ当時の写真が飾ってあった。
寅たちが商店街を歩く際に道の脇に菊の花が飾られているが、これはサトウさんの先代が手入れをしていたものだそうだ。
今も映画の中に思い出として残っている、と語っていただいた。
今回の旅では、さらに第35作のオープニングで寅が出会う旅の雲水が訪問する民家を発見することができた。
特徴的な道はそのままで民家もロケ当時のままだった。
今回訪れた小諸は寅さん会館があった場所であり有名なロケ地だが、意外と未発見だったところも多かった。
全国にはまだまだ未発見のロケ地も多い。
次回の旅も楽しみである。
(まったく更新が追い付かず、アップが旅の順序と前後しています。5月には2011年以降の分も順次更新していきます。)